11.10.2021

01.人と動物の関係学「産業動物の福祉と提言」「多様化する動物倫理」(愛玩 2級)

世界での動物の扱いのこれまでの経緯

産業動物の福祉と提言

1960年代のイギリス

集団的畜産」が当たり前(「工場畜産」ともいう)。合理的に大量生産


1964年 ルース・ハリソン「アニマル・マシーン」著書

動物福祉を考える原点 (虐待性を告発)

市民に飼育環境の改善を求める


イギリス政府 F・W・ロジャーズ・ブランベル(動物学者)を中心とした

科学諮問機関(ブランベル委員会)発足


1965年 「ブランベル報告書をまとめた

1979年 「家畜福祉協議会」(FAWC)設立

イギリス政府の諸門機関

5つの自由」動物福祉の基本理念

  1. 飢えと渇きからの自由
  2. 不快からの自由
  3. 苦痛からの自由
  4. 恐怖と抑圧からの自由
  5. 自由な行動をとる自由

多様化する動物倫理

1970年代 「動物の権利」運動

すべての動物は人権と同等の権利をもつ

 ベンサム(18世紀 イギリスの哲学者)によって体系化された功利主義に基づく


1975年(昭和50)年 

オーストラリアの哲学者ピーター・シンガー「動物の解散」出版

 権利運動のバイブル。人と動物を別扱いするのは「種差別

 アメリカをはじめ、世界各地に広がる


1983(昭和58年)

アメリカの哲学者トム・リーガン「動物の権利の根拠」出版


1986年(昭和61年)

「動物(科学的処置)法」(動物実験規制法)

3R」「5つの自由」の概念が盛り込まれた


1997年(平成9)

アムステルダム条約(最大限の配慮が必要)

  • 2012年(平成24) EU 従来型のバタリーゲージでの採卵鶏の飼育禁止
  • 2013年(平成25) 「EU化粧品指令」(化粧品について、動物実験禁止)

「動物の権利」(アニマル・ライツ)

すべての動物にも 人間と同じように生きる権利がある

「功利主義」に基づくと考えられている

ジェレミー・ベンサム提唱(英の哲学者)

動物に不必要な痛みや苦しみを与えない

 動物福祉と共通する部分もあるが、利用することに否定的(なるべく軽減する方法で、飼育・利用)


1892年

ヘンリー・ソルト(思想家)「動物の権利」出版

 その種に相応した適切に制限された自由をもって、自由の生を生きる権利があると主張


これが根源となり、現代の権利運動へと発展

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