ドラマ「知らなくていいコト」感想。３歳児の犯罪

「知らなくていいコト」ながら見しつつも気になったコト。
週刊誌記者の出生が「知らなくていいコト」だったというドラマ。これタイトルが覚えられず、いつも家族が「知らないコト」「知っているコト」と初めと終わりだけのうろ覚えで言うけど、それでも何のドラマかは分かる。

主人公の編集部記者ケイト（吉高由里子）、父親の乃十阿が殺人犯と知ることからドラマが始まる。このドラマで話題になっているのが、元彼のカメラマンで既婚者尾高（柄本佑）の格好良さと、結婚を考える今彼だったものの父親の話を聞いて遺伝するかもと怖がり別れた野中（重岡大毅）のくずっぷり。
知らなくていいコト｜日本テレビ

不思議なものでケイトと尾高は不倫関係になってしまうけど、ドロドロと感じない。ただ視聴者的にはケイトに共感しながらも、奥さん側に立つと複雑な気持ちにさせるドラマ。柄本佑は凄いイケメンというわけではないけど、格好良くみえる。脚本家が大石静でベテランで最近のドラマだと「家売るオンナ」が人気があった。あと「大恋愛〜僕を忘れる君と」、ムロツヨシをイケメンにした脚本家だから当然とも言える。「家売るオンナ」は恋愛面は全く共感もせずイモトアヤコの印象しか無いけど、戸田恵梨香とムロツヨシのほうは良かった。母親と元婚約者が結婚したのは微妙にも感じたけど。
ケイト自身が不倫で生まれた子。ただ父親とされる男の感じが良く人柄も良く家族思い。昨今の不倫したらクズ扱いで仕事干されたりなのを思うと、事情があったのかと思わせるところもある。以前でも人によっては、好感度が高いタレントは番組を無くしてはいた。昔のドラマはそういうのが多かった気もする。普通に優しい主人公が不倫してたり、元鞘に戻って円満とか。今なら叩かれそう。昔と言うほどではないけど、上戸彩の「昼顔」では奥さんがおかしくなってしまうのもあってドロドロ（これはそういうドラマだから良いと思う）。
「知らなくていいコト」は、尾高の妻の心理状況が分からない・見せていないのがドロドロに感じさせないところはある。

不倫がどうの尾高が格好良いは置いて、このドラマで気になったコトが、ケイト父の犯罪が冤罪だったのでは？という話が出てきたことに関して。
無差別殺人の概要は、キャンプ場の共同の飲料タンクに毒草を入れたこと。
乃十阿は逮捕時は無罪を主張、犯行を認めてからは黙秘。国選弁護士は、乃十阿の知的で誠実な人柄を感じたことと、奥さんに会った時の出来事（３歳の息子がハーブティを入れるのを手伝っていた）から、本当は息子を庇っているのではないかと。
衝撃の事実が発覚！殺人犯の父・乃十阿徹は無実だった！？｜日本テレビ

私が気になるのは、３歳の息子を庇うこと。
父親が子どもを庇うのは当然と言ってしまえばそれで終わるけど。

「三歳児が善意で草をタンクに入れたら、実は毒で人が死にました」と「大人が毒草を殺意を持ってタンクに入れました」では、印象が大分違う。
しかも３歳児。逮捕は１４歳から、少年院もまだ、児童相談所がなんかあるかなぐらい。多分、不幸な事故の扱いで終わると思う。親の監督不届きを問われはするけど。無差別殺人犯よりははるかにまし。離婚したとはいえ親が犯罪者も、子のためにならないし。「テセウスの船」が母と兄が心中で亡くなっているし。あと水のタンクを３歳児が簡単に開けられるのも問題だと思う。

他の犯人を庇う話であったのが、

• 孫を庇ってお婆ちゃんが犯人に（お婆ちゃんが逮捕と聞くと可哀想だけど、庇いたくなる気持ちは分かるし、家族的にも未来を見ると分かる。庇うのが子の為になるかどうかは分からないけど）
• 子がドア前に置いた玩具を踏んで転んで死んだのを、父を殺したなんて可哀想と子どもの先生が庇う（「緊急取調室」だったと思う。動機が出ても、あまり理解できず）
• 息子が父親を殺したけど、遺体を庭に埋めて失踪したことに（逮捕はされてないけ）
• 子どもの犯罪を親が庇う、親の犯罪を子が庇う、そしたらどちらも犯人でなかった（真犯人は別、刑事物ドラマでたまに見かける）

殺人罪について、良く聞くのが殺意があったかどうか。殺された側からしたら、あろうがなかろうと亡くなっているので、罪が軽くなるのは可笑しいとも思うけど、実際のところ大きい。交通事故でも、殺意があって引き殺そうとするのと、見落としなんかで引いてしまうとでは罪が変わってくる。裁判でいうと、無罪主張するより、罪を認めて反省の態度を出したほうが罪が軽くなるのも、傍からは不思議に思う。

ドラマも最終話に向かう。記者なので無罪だったの記事を出すのだろうけど、当時３歳だった息子は今では大人。実は犯人でしたと聞かされるのか。それか本人が分かっている可能性もあるけど。３歳の記憶ってあるのかどうか。
親が庇ったり、金持ちならもみ消したり他人に擦り付けたりよりは、子どもの罪をちゃんと叱るなり受け入れるのが好み。ただこのドラマの場合、息子３歳。犯人というより、原因を作ったが正しい。本人からしたら辛いけど。