12.31.2021

03.動物愛護管理法(法律の目的・対象動物・法の目指すもの)

1973(昭和48)年10月 議員立法により制定

(この時の名称は「動物の保護及び管理に関する法律」。1999年改正字に改名)

法律の目的

動物の愛護(適正飼養や虐待防止等)」

動物の健康・安全の保持に努める。人と動物のより良い関係作り

動物と適切な管理(危害や迷惑の防止等)」

人の生命、身体及び財産に加えられる危害や損害、生活環境の保全上の支障を防止。

対象動物

人が飼養している動物(飼養動物

 4区分→ 家庭動物、展示動物、畜産動物(屠畜動物)、実験動物

※ 野生動物は原則として対象でない

法の目指すもの

「人と動物の共生する社会の実現」

ひいては人類の幸福につながり、動物にとっての幸せにもつながる

動物の取り扱いに関する基本原則や責任が定められている

(法第二条、第1条及び第37条参照)

趣旨

「動物が命あるものであることをすべての人が認識し、動物をみだりに殺したり、傷つけたり、または苦しめたりするなどの虐待をすることのないようにするだけでなく、人と動物の共生に配慮しながら、動物の習性をふまえた適切な給餌及び給水、健康の管理、飼育環境の確保を行うこと」

「みだりに」の意味→ 「正当な理由(目的)がなく」

「正当」→ 緊急、人間生活を維持する上で必要とされる。

誰が考えてもそうすることがやむをえないという事情が認められるような場合

「5つの自由」の精神も込められている。

守らなければならない責任も具体的に定められている。

  • 飢えと渇きからの自由
  • 不快からの自由
  • 苦痛からの自由
  • 恐怖と抑圧からの自由
  • 自由な行動をとる自由

守ることが必要とされているが、いずれも努力義務であって、罰則はない

(守らなければならない責任)

動物愛護管理法が定めている「所有者や占有者の責任」

  1. 動物の健康と安全の保持
  2. 危害や迷惑の防止
  3. 感染症の知識や予防(「人と動物との共通感染症」の予防のために必要な注意をするよう努める)
  4. 所有の明示措置(遺棄・逸走の未然防止を図るため。首輪やマイクロチップ)
  5. 逸走(逃げ出すこと)の防止
  6. 終生飼養(やむ得ない事情がある場合は、新たな飼い主を探すよう努める)
  7. みだりな繁殖を防止するための不妊去勢措置などの実施(繁殖制限をするよう努める)

 これらを具体的に示したのが「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準(環境省)」

法令では「飼い主」という用語は使われていない

 →「所有者(飼い主を指す)」

  「占有者(一時的に動物を預かるペットホテル、トリマーなど)」

「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(動物の飼養保管基準)

飼い主などが守らなければならない責任の内容、飼養動物などの動物の飼い方

を具体的かつ詳細に示したもの

飼養動物それぞれ4区分した「家庭動物、展示動物、畜産動物(屠畜動物)、実験動物」について、保管基準が定められている。

環境大臣が定める。罰則を伴うような強制措置ではない。あくまで「よるべき基準としてのガイドライン」

・家庭動物 犬・猫の飼養保管

けい留場所(つなぎとめる場所):犬の行動範囲が道路や通路に接していないように配慮

猫の場合、周囲の人に迷惑をおよぼさないように努め、できるだけ「屋内飼養」とし、猫の健康と安全を守る。鳴き声や糞尿の放置で周辺地域住民の生活に支障をおよぼさないようにする

屋内飼養(室内飼養)の主なメリット

  • 交通事故に遭わない。
  • 他の動物と喧嘩などをしない。
  • 他の動物との接触によって生じる、病気や寄生虫の伝染を防止できる。
  • 望まない繁殖を防止できる。
  • いじめられたり、誘拐されたりする危険性が低い
  • 拾い食いによる事故などを防止できる。

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